注目キーワード
  1. 高血圧
  2. 骨粗鬆症
  3. 糖尿病

【研修医必見!】初めての脂質異常症診療

 

定義と病態生理

 脂質異常症とは、血液中の脂質濃度に異常があることを言います。脂質には

・LDL(Low Density Lipoprotein)コレステロール

・HDL(High Density Lipoprotein)コレステロール

・中性脂肪(triglycerides)

の3種類があり、以後はそれぞれLDL-C、HDL-C、TGと表記させて頂きます。

本邦の動脈硬化性疾患予防ガイドライン1)によれば、脂質異常症は以下のように分類・定義されていますが、中でも臨床上重要なのは、高LDL-C血症、低HDL-C血症、高TG血症です。

 

 さて、ここで脂質代謝の生理学を簡単に復習しましょう。

 小腸の上皮細胞から吸収された中性脂肪、コレステロールはリポ蛋白にくるまれて輸送されます。カイロミクロンは腸細胞から産生され、リンパ管に分泌されたのちに静脈循環へと戻っていくことになります。カイロミクロンは85%が中性脂肪ですが、輸送中にLPL(lipoprotein lipase)による代謝を受け、中性脂肪が加水分解されます。加水分解された中性脂肪は遊離脂肪酸グリセロールとなり、周囲の細胞でエネルギーとして消費されます。最終的にカイロミクロンは中性脂肪が少なくなり、カイロミクロンレムナントとなり肝臓で吸収されます。

 肝臓で産生された脂肪は、同じく肝臓で産生されたリポ蛋白のVLDLにより血中に放出されます。これもLPLに代謝を受け、中性脂肪の少ないLDLとなります。LDLは組織のLDL受容体と結合してエンドサイトーシスにより末梢組織細胞に取り込まれますが、LDLが多く血中にあふれている場合は血管内皮細胞に取り込まれ、マクロファージがLDLを貪食し泡沫細胞となります。この泡沫細胞が動脈硬化の原因となるわけです。

 HDLは肝臓で合成されるリポ蛋白であり、最初はほとんどコレステロールを含有していませんが、末梢組織細胞からABCA2酵素を介してコレステロールを末梢組織から回収する役割を担っており、動脈硬化を抑制する働きがあります。

 

 脂質異常症の話に戻ります。一般的な脂質異常症の発症には、遺伝的要因、不適切な食習慣、運動不足、肥満といった要素が複合して関わっており、一言で発症機序を説明することは意外と難しいです。その一方で、甲状腺疾患や薬剤性など、原因が明らかである続発性脂質異常症も存在しています。また、家族性コレステロール血症原発性高カイロミクロン血症など、遺伝性の脂質異常症も知られています。

治療目標 脂質異常症を診断、治療する意義とは?

 

 結論から申しますと、脂質異常症の治療目標は、脂質濃度を至適範囲に維持し、動脈硬化に伴う脳・心血管疾患を予防することであります。ただし、一言に脂質異常症といっても、治療介入により脳・心血管疾患リスクを低減できるかどうかは高LDL-C血症、低HDL-C血症、高TG血症のそれぞれで異なってきます。

 まず、高LDL-C血症は将来の冠動脈疾患・アテローム血栓性脳梗塞のリスクであり2)、治療介入により総死亡率が低下することもわかっていいます3)

 一方、低HDL-C血症は脳・心血管疾患のリスクと考えられていますが4)、近年は関連がないという報告もあり5)、議論のある所です。また、HDL-Cが増加する遺伝子変異がある集団と、そうでない集団を比較した研究では、両者の間に心筋梗塞リスクに差がないことがわかっています6)。加えて、薬剤によるHDL-C値を上昇させるような介入を行っても、冠動脈疾患のリスク低下効果は示されていません7)

 最後に高TG血症はどうでしょうか。高TG血症が心筋梗塞などの冠動脈疾患を増やすということが複数の観察研究で示唆されていましたが8,9)、2009年のメタアナリシス10)では冠動脈疾患、脳梗塞ともに有意な関連はないと結論付けられました。また、フィブラート系薬剤による高TG血症への介入では脳・心血管疾患のリスク低下効果は証明できていません11,12)

 

 以上を踏まえ、脳・心血管疾患予防のために介入する意義が最も大きいのは高LDL-C血症ということができます。実臨床で治療を行っている脂質異常症は大部分が高LDL-C血症であり、脂質異常症≒高LDL-C血症と理解して差し支えないと思われます。まぁ、実際はカルテのプロブレムリストに脂質異常症ではなく高LDL-C血症と記載するべきなのでしょうが、打ち込むのが面倒なのでHLまたはDLPと書いている先生がほとんどだと思います(え、これって私だけじゃないですよね…?)。

 というわけで、ここからは高LDL-C症に関して詳しく解説していこうと思います。 

 

 HDL、TGに関しては以下の記事もご参照ください。

 

診断

 先ほど提示した通り、ガイドライン上はLDL-C>140mg/dLを高LDL-C血症と定義していますが、脳・心血管疾患の一次/二次予防のどちらなのか、またはその発症リスクによって管理目標が異なるため、この数値に拘る意義は少ないです。とにかく患者ごとに個別に評価を行うことが重要です。本邦の動脈硬化性疾患予防ガイドライン1)では、久山町研究を元にした評価法が推奨されています。以下はガイドラインを参考に管理人が作成したフローチャートです。

 

 厳格なLDL-C値管理が必要となるため、最初に家族性高コレステロール血症の可能性と、脳・心血管疾患の二次予防に該当しないかを確認します。続いて糖尿病、慢性腎臓病、末梢動脈疾患の合併がないか確認してきます。これらは脳・心血管疾患のリスクが高いため、合併している時点で高リスク群に分類されることになります。

 上記に該当しない場合、久山町研究によるスコアにより低、中、高リスクに分類を行います。各リスクにおけるLDL-Cの基準値を超えているものを高LDL-C血症として扱い、同様に治療も基準値以下を目標とします。

 

脂質の測定法

 脂質の検査項目には総コレステロール(TC)、LDL-C、HDL-C、TGの4種がありますが、全て測定すると査定を受けてしまうため注意が必要です。通常はTGとその他2項目を選択して評価を行うことになります。

 LDL-Cの測定はFriedewald式(TC-HDL-C-TG/5)で算出される間接法、または直接血中のLDL-Cを測定する直接法で測定されます。前者は食後の検体やTG>400mg/dLの検体では使用できませんが、後者は食事やTGによる影響が少ないとされます。その一方で、直接法は試薬による変動が大きいという欠点があるようです。

 以前は精度の問題から間接法が推奨されていましたが、現行のガイドライン1)では両者が並列に記載されるようになっており、いずれを用いてもよいようです。ちなみに、管理人は計算がめんどくさいのでTG、LDL-C、HDL-Cを測定し、いわゆる直説法を行っています。
 TGは食事摂取で大きく変動しますが、コレステロールは食事による影響を受けにくいとされています。空腹時の血液検査を基本とし、比較しやすいよう測定条件を統一するよう心がけましょう。

家族性高コレステロール血症について

 家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia: FH)とは、LDL受容体遺伝子変異による単一遺伝子疾患であり、常染色体顕性遺伝形質をとります。高LDL-C血症、腱黄色腫、若年性冠動脈疾患を主徴とします。一般人口の300人に1人、早発性冠動脈疾患や重症高LDL-C血症の15人に1人に認められるとされます1)ホモ接合体型ヘテロ接合体型がありますが、ホモ接合体型は出生時より著明な高LDL-C血症と皮膚黄色腫を呈し、30歳までに冠動脈疾患を引き起こすため、若年時に診断がついていることが多いです。一方、ヘテロ接合体型は成人期になっても診断がついていないことが多いため、プライマリケアの外来でも診療する機会があります。また、ヘテロ接合体型のFHは、通常の高LDL-C血症と比較し若年性冠動脈疾患のリスクが高いことがわかっており、ホモ接合体型程ではないにしろ、決して侮ることはできない疾患です。以下に診断基準を示します。

 

 LDL-Cの絶対値、腱黄色腫あるいは皮膚結節性黄色腫、FHや早発性冠動脈疾患の家族歴の3項目により診断を行います。特に家族歴は重要であり、冠動脈疾患とその発症年齢まで詳しく問診する必要があります。「ご両親に心筋梗塞の人はいますか?また、いるのであればその時の年齢についても教えてください」と具体的に尋ねましょう。

 ヘテロ接合体型のFHの場合、一次予防としてLDL-C<100mg/dLとなるよう厳格な管理が必要となります。冠動脈疾患の評価も検討されるため、可能であれば高次医療機関への紹介が望ましいです。

続発性高LDL-C血症について

 原因が明らかである高LDL-C血症を続発性高LDL-C血症と呼称します。原疾患への介入でLDL-C値の低下が期待できるため、見落とさないことが重要す。以下に代表的な原因を示します。

 続発性高LDL-C血症の中で、臨床上最も問題となるのが甲状腺機能低下症です。高LDL-C血症と診断された患者のうち、数%が背景に甲状腺機能低下症が存在するとされおり13,14)、スタチンによる横紋筋融解症のリスク因子でもあります15)このため、可能であれば高LDL-C血症と診断した患者では甲状腺機能のスクリーニング検査具体的にはTSHの測定を行っておくとよいです

身体所見・検査

 FHを念頭に、皮膚黄色腫、腱黄色腫、角膜輪を確認しましょう。頸部血管雑音や足背動脈の触知を行い、異常があるようなら頚部血管エコー検査やABIを検討します。

 

 また、高LDL-C血症の診断となった患者では、合併症の把握のため各種一般検査を施行します。脂質、甲状腺機能を含めた血液検査(血算、肝腎機能、電解質、糖、HbA1c)、尿検査、胸部X線写真、心電図を最低限確認しておきましょう。繰り返しになりますが、できればTSHを提出し甲状腺機能低下症合併の可能性を検索しておくとよいです。

総論

 前述の通り、脳・心血管疾患の既往や久山町研究によるスコアに基づき、目標LDL-C値を設定し、介入を検討することになります。

一次予防では、まず生活習慣の改善を行った後に薬物療法の適応を考慮します。

二次予防では、生活習慣の改善と並行して早期から薬物療法を検討します

生活習慣の改善

  忙しい外来での生活指導には限界がありますが、私は以下の点を可能な範囲で指導するようにしています。

 

・総エネルギー量は目標体重×エネルギー係数を目標とします。大体2,000kcal前後が目安となります。

・BMI 22を目標に適正な体重を維持します。

・飽和脂肪酸を多く含む肉類を控え、不飽和脂肪酸を含む植物油や魚油を積極的に摂取することを勧めます。

・1日合計30分以上を週3回以上の有酸素運動を勧めます。まずはウォーキングから開始してもらい、可能な範囲で徐々に活動量を上げていくとよいです。

・喫煙中の患者には禁煙を指導します。

薬物治療

 高LDL-C血症の第一選択薬はスタチンです。スタチンはLDL-Cを低下させる力価によって、スタンダートスタチンとストロングスタチンに分類されますが、LDL-C値に関しては“the lower, the better”、低ければ低い程よいという原則があるため、基本的にはストロングスタチンを選択すればよいと思います。ストロングスタチンにはロスバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチンがあります。いずれを用いても良いと思いますが、この中ではロスバスタチンが最もLDL-C低下作用が強いです。スタチン開始後、1~2か月後に血液検査でLDL-C値をフォローします。目標値を達成できていない場合、スタチンを増量するか、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬であるエゼチミブの上乗せを検討します。

 スタチンの副作用に筋関連の有害事象がありますが、有名で皆さんも存じておられるのではないかと思います。実際にクレアチンキナーゼ(CK)が高度に上昇するような横紋筋融解症に至る例は稀であり、筋症状を訴える割合もスタチン群とプラセボ群でほぼ同等だったという報告もあります16)。その一方で、CKが軽度上昇したり、CKは正常だが筋痛を訴える患者さんは一定数いらっしゃいます。おそらくノセボ効果による症状であることも多いと思われ、管理人は筋症状の説明は過度に不安を与えない程度に留めるようにしています。スタチン投与開始後、1~2か月後に筋症状とCK上昇がないか確認しますが、CKはスポーツや外傷でも上昇するため、本当にスタチンによる影響なのかは慎重に判断する必要があります。フルバスタチンはスタンダートスタチンに分類されますが、スタチンの中で最も筋症状が少ないとされており17)、他のスタチンで筋症状が出てしまった際のスイッチ先として覚えておくとよいでしょう。

 

 強力な抗体製剤としてPCSK9モノクローナル抗体があります。非常に高価であるため、FHや、二次予防の症例でスタチン、エゼチミブでは十分にLDL-Cが低下できない場合など、限定的な状況で使用を検討します。プライマリケア医が処方するものではなく、専門医からの逆紹介で処方を継続する、というシチュエーションくらいしか使う機会はないと思います。

実際の高LDL-C血症について

 さて、ここでは私の実臨床でのプラクティスについて解説していきます。

 まず、これまで述べてきた通り、既往歴や久山町研究によるスコアを参考に、患者さんごとに目標LDL-C値を決定します。目標値を達成できていない患者さんにはまずは生活習慣の改善を指導し、3か月後に血液検査を再検します。この時点で目標値を達成できていない場合、薬物療法を推奨します。

 なお、二次予防に該当する場合や、目標値を極端に超えてしまっている場合には初回から薬物療法を導入することもあります。

 

 薬物治療の適応がある場合ですが、管理人は最も力価の強いロスバスタチンを使用しています。まずは2.5mg/日から開始し、目標LDL-C値を達成するまで1~2か月ごとに2.5mg/日ずつ漸増し、最大で10mg/日まで増やします。それでもLDL-Cが目標値まで低下しない場合、エゼチミブを10mg/日で追加します。

 一次予防であれば。ここまででほとんどの症例が目標値を達成することが可能です。二次予防、中でもLDL-C<70mg/dLを目指す場合にはさらに治療強化が必要となることがあり、その場合はロスバスタチンを最大20mg/dLまで増量が可能です。ただし、一般にスタチンは用量依存性に筋症状の出現率が上昇するとされているため、副作用がないか慎重にモニタリングを行う必要があります。

 外来を始めたばかりで管理に自信がないようであれば、ロスバスタチン10mg/日+エゼチミブ10mg/日でも目標値を達成できない時点で専門医に紹介してもよいと考えます。

 

 

 余談ですが、管理人は30代ながら高LDLコレステロール血症を抱えており、一時はLDL-Cが180mg/dLを超える驚異的な数値を記録したことがあります。幸い、黄色腫や家族歴は明らかではないため、家族性高コレステロール血症(FH)ではないと思っていますが、それでも将来の脳・心血管疾患リスクが大いに懸念される状況です。さらに、HDL-Cも低く、性別を考慮すると久山町研究によるスコアは12点になります。リスク分類が適用されるのは40歳以降であるため、厳密にはどのリスクカテゴリーにも該当しませんが、それでも放置するのは不安なLDL-C値です。

 筋トレや減量などの生活習慣改善に取り組みましたが、残念ながらLDL-Cの数値はほとんど変わりませんでした。そのため、昨年から標準的なスタチンであるプラバスタチンを処方されましたが、LDL-Cは140~150mg/dL程度までしか下がらず、効果は不十分でした。これでは安心できないため、今年からプラバスタチンからロスバスタチン5mgに変更してもらったところ、なんとLDLコレステロールが70mg/dLまで一気に低下しました。さすが最強のスタチン、その効果は見事です。

 ここまで数値として結果が出ると、治療を受ける側としても気分が良いものです。これで管理人の予後も多少なりとも改善されたはずです。多分。

 

 薬物治療開始直後は筋症状の有無を確認し、LDL-C値、CKを含んだ血液検査をチェックします。目標値を達成し、筋症状もなければ検査の間隔を空けてよいです。

 

 食習慣、運動習慣、喫煙歴などの生活習慣についても確認します。特に喫煙者の場合、毎回禁煙について指導を行うようにしましょう。あとは内服のアドヒアランスも都度チェックしましょう。

 

 同様に、脳・心血管疾患リスクである高血圧症、糖尿病の合併がないか、定期的に確認を行うとよいです。特に血圧は手帳をお渡しし、家庭血圧の記録を習慣づけてもらいましょう。

 家族性高コレステロール血症、もしくはその疑いが強い場合、非常に脳・心血管疾患のリスクが高いため、合併症の評価も兼ねて専門医に紹介するべきです。また、スタチン、エゼチミブで治療目標が達成できず、PCSK9モノクローナル抗体が検討される場合にも紹介を検討します。ただし、抗体製剤は高価であるため、患者とよく相談した上で適応を決める必要があります。

最後に、ここまでの内容を踏まえて重用事項をチェックリストとしてまとめました。ご参考ください。

治療目標:

□短期的目標:LDL-コレステロール値を至適範囲内に維持する

□長期的目標:冠動脈疾患、アテローム血栓性脳梗塞などの脳・心血管疾患を予防する

外来引継ぎ時の確認事項:

□一次予防か二次予防か:冠動脈疾患、アテローム血栓性脳梗塞の既往

□高リスク疾患の有無:糖尿病、慢性腎臓病、末梢動脈疾患

□久山町研究によるスコア

□冠動脈疾患の家族歴(特に男性55歳未満、女性65歳未満の早発性)

□家族性高コレステロール血症の検討

□続発性脂質異常症の検索歴:甲状腺機能低下症など

□食習慣、運動習慣、喫煙歴などの生活習慣

□LDL-C目標値

□治療経過

最低限覚えておくべき薬剤:

□ストロングスタチン:ロスバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン

□スタンダードスタチン:フルバスタチン

□エゼチミブ

外来での確認事項:

□LDL-C、CKを含んだ血液検査

□筋症状

□内服のアドヒアランス・残薬

□食習慣、運動習慣、喫煙歴などの生活習慣

専門医へ紹介するタイミング:

□家族性高コレステロール血症、もしくはその疑い

□スタチン、エゼチミブで治療目標が達成できず、PCSK9モノクローナル抗体が検討される場合

 

1) 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版 日本動脈硬化学会
2) Prev Med. 2011 May;52(5):381-6.
3) Lancet. 2005 Oct 8;366(9493):1267-78.
4) Am Heart J. 1983;106(5 Pt 2):1191.
5) J Am Coll Cardiol. 2016;68(19):2073.
6) Lancet. 2012;380(9841):572. Epub 2012 May 17.
7) BMJ. 2009;338:b92. Epub 2009 Feb 16.
8) Circulation. 1999 Aug 3;100(5):475-82.
9) JAMA. 2007 Jul 18;298(3):299-308.
10) JAMA. 2009 Nov 11;302(18):1993-2000.
11) Lancet. 2005 Nov 26;366(9500):1849-61.
12) N Engl J Med. 2010 Apr 29;362(17):1563-74.
13) JAMA Intern Med. 2014 Feb 1;174(2):287-9.
14) Thyroid. 1999 Apr;9(4):365-8.
15) Acta Cardiol Sin. 2016 Nov;32(6):631-639.
16) Am Heart J. 2014 Jul;168(1):6-15.
17) Cardiovasc Drugs Ther. 2005 Dec;19(6):403-14.