イバブラジン
〇使用方法・目的
・1回2.5mg 1日 2回食後の経口投与から開始する。開始後は忍容性をみながら目標とする安静時心拍数が維持できるように、必要に応じ、2週間以上の間隔で段階的に用量を10mg/日(5mg/回)、15mg/日(7.5mg/回)と順次増減する。
・目標とする安静時心拍は50-60回/分とし、安静時心拍が60回/分を超える場合、段階的に増量を行う。安静時心拍が50回/分を下回る場合または徐脈に関連する症状が認められた場合は段階的に減量する。
〇適応疾患
・慢性心不全(β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けており、正常洞調律で心拍 75回/分以上の慢性心不全)
〇作用機序
・洞結節細胞の自動能形成に寄与している過分極活性化内向き電流のIfチャネルを阻害し、心拍数を低下させる。
〇薬剤の特徴
・心収縮能には一切影響を与えずに心拍数を低下させる。
・洞調律患者のみにしか効果を発揮しない。
・EF 35%以下で正常洞調律、HR 75/分以上の患者に有効であった。
〇注意点
・徐脈が現れる恐れがある
・心不全が悪化する場合もあり注意が必要
・光視症、霧視があらわれることがあり、自動車の運転や危険を伴う機会の操作をする際には患者に十分注意するよう説明する。
参考
・循環器ドリル 池田隆徳 羊土社