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骨粗鬆症の治療薬・総論

  • 2022年9月27日
  • 2023年1月26日
  • 骨粗鬆症
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前回の投稿で骨粗鬆症の病態、評価法など、基本的な部分をまとめました。今回からいよいよ治療薬について書いていこうと思います。まずは治療薬の総論的な部分をまとめていきます。

目次

総論

最初に前回と同様、まずは骨粗鬆症の病態図を下記に示します。

骨芽細胞による骨形成と、破骨細胞による骨吸収が平衡状態となっているのが正常ですが、このバランスが崩れ、骨吸収が優位となってしまい骨密度が低下してしまうのが骨粗鬆症なのでしたね。骨粗鬆症の治療薬はこのバランスを修正し、骨形成を優位にすることで骨密度を上昇させる働きを持ちます。

骨粗鬆症の治療薬には、上記のように破骨細胞の作用を低下させて骨吸収を抑制するものと、骨芽細胞を活性化し骨形成を促進するものとに分類されます。前者の方が該当する薬剤が多いです。骨粗鬆症の治療を考えるときには、まずはどのような作用機序なのかを覚えるようにしましょう。

また、骨粗鬆症の治療薬を考える上でみるべきポイントを下図にまとめました。

最初の作用機序は前述の通りです。椎体骨骨折大腿骨近位部骨折は骨粗鬆症によって生じる2大骨折と言えます。このため、単に骨密度を上昇させるだけではなく、この2つの骨折を予防する効果があるのかどうか、というのがキモになってきます。薬によっては一方を予防する効果はあるが一方を予防する効果はない、といったものもあり、骨粗鬆症の治療薬を理解する上でやっかいなポイントと言えます。また、薬によっては中止後も効果が持続するものや中止による反動で急速に骨密度が低下してしまうものがあります。後者の場合、中止後の骨密度低下を防ぐために後療法が必要となってきます。加えて、忘れてはいけない薬価についてもある程度把握しておく必要があります。治療薬の各論に入る前に、上記のポイントについてまとめた表と、薬剤使用のフロー(私見)を提示しておきます。

初学者の方はなんのこっちゃといった感じだと思いますが、各論を読んで上記の図がスッと頭に入ってくるのが目標になります。一度各論を読んでいただいた後、もう一度この記事に戻ってきて頂けると理解が深まるのではないかと思います。

それでは総論は以上となります。早速、次回から各論部分としてカルシウム製剤&ビタミンD製剤についてまとめていきます。