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リンパ節腫脹

  • 2023年1月28日
  • 2023年1月28日
  • 血液
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リンパ節腫脹とは

〇定義

リンパ節腫脹は通常サイズが1cmを超える場合を指します。ただし、鎖骨上、膝窩、腸骨、滑車上の場合は5mm以上を異常と取ります。リンパ節が硬かったり、潰れている場合は悪性を示唆する場合があります。

プライマリケアの場面では、原因不明のリンパ節腫脹に対し、悪性腫瘍に関連するのはわずか1.1%ですが、加齢とともにその割合は上昇します。悪性腫瘍に関連するリンパ節腫脹をいかに見逃さないか、ということが重要になってきます。

〇頭頸部のリンパ節腫脹

頭頚部のリンパ節腫脹はオトガイ下、顎下、前頸部、後頚部、耳介前部、鎖骨上に分類されます。前頸部リンパ節は咽頭など局所の感染から波及することが多いですが、後頚部リンパ節腫大は全身性疾患を反映していることが多いです。数か月持続する持続性リンパ節腫脹は非定型抗酸菌症、猫ひっかき病、菊池病、サルコイドーシスなどにより引き起こされることがあり、悪性腫瘍との鑑別が難しいことがあります。

〇上肢のリンパ節腫脹

腋窩のリンパ節腫脹では上肢の感染症または外傷で生じることが多いです。感染症では猫ひっかき病、野兎病、スポロトリコーシスなどが挙げられます。感染症、外傷がない場合、リンパ腫や乳癌、肺癌など悪性疾患を考える必要があります。

滑車上リンパ節は触知すれば異常といえます。リンパ腫、悪性黒色腫、サルコイドーシス、二期梅毒などで出現します。

〇下肢のリンパ節腫脹

鼠径の場合、2cmまでは健康な成人でも認めます。単純ヘルペス、梅毒、下肢の皮膚感染症で腫大します。リンパ腫による腫脹は比較的少ないとされています。

リンパ節腫脹へのアプローチ

〇リンパ節の性状からのアプローチ

下記の通り、リンパ節の性状により良性か悪性かの鑑別が可能です。

〇限局性か全身性かによるアプローチ

全身性リンパ節腫脹は隣接していない2つ以上のリンパ節群の腫大を指します。全身感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍のいずれも考えられるためアプローチが難しい場合があります。良性の場合は伝染性単核球症などのウィルス性疾患や薬剤性のリンパ節腫脹が考えられます。

一方、限局性の場合は局所の感染や外傷がきっかけのことが多く、良性である場合が多いです。

〇病歴からのアプローチ

下記の通り、随伴症状や病歴から鑑別を絞ることもできます。

〇鑑別の“MIAMI”

以下のゴロによる鑑別の覚え方もあります。

Malignancies:Kaposi sarcoma、白血病、リンパ腫、転移、皮膚腫瘍

Infections

細菌性:ブルセラ、猫ひっかき病(Bartonella)、皮膚軟部組織感染症、lymphogranuloma venereum、梅毒、結核、tularemia、typhoid fever

肉芽腫:berylliosis, coccidioidomycosis, クリプトコッカス、ヒストプラズマ症、silicosis

ウイルス性:アデノウイルス、CMV、肝炎ウイルス、帯状疱疹、HIV、伝染性単核球症、風疹

その他:真菌、寄生虫、ライム病、リケッチア、疥癬、トキソプラズマ症

Autoimmune disorders:皮膚筋炎、関節リウマチ、シェーグレン症候群、成人発症スティル病、SLE

Miscellaneous/unusual conditions:Castleman病、組織球症、川崎病、菊池病、木村病、サルコイドーシス

Iatrogenic causes:薬剤性、血清病

*薬剤性の原因:アロプリノール、アテノロール、カプトプリル、カルバマゼピン、ヒドララジン、ペニシリン、フェニトイン、プリミドン、キニジン、ST合剤、Sulindax, Pyrimethamine

以下、診断までのフローをまとめます。

リンパ節生検

〇リンパ節生検の適応

診断がつかない場合や悪性が否定できない場合、リンパ節生検を検討することになります。

適応を判断するスコアとして、Z scoreがあります。かなり計算は煩雑ですが・・・。

Z score=5a-5b+4c+4d+3e+2f-6

a:40歳以上で1点、40歳以下で0点

b:圧痛ありで1点、圧痛なしで0点

c:≧9cm2で3点、8.99>≧4.0cm2で2点、3.99>≧1cm2で1点、1cm2>で0点

d:全身掻痒感あり4点、なし0点

e:鎖骨上リンパ節腫脹ありで3点、なしで0点

f:リンパ節が硬いで2点、軟らかいで0点

リンパ節生検が診断、治療に関与したかの感度・特異度は以下になります。

また、以下のフローの通り、部位などそもそも生検ができるか、という判断も必要になります。

抑えておくべきポイントとして、耳下腺、後頚三角部リンパ節には神経障害リスクがあること、陰部リンパ節は診断率が低いことがあります。

参考

・up to date

Am Fam Physician. 2016;94(11):896-903

・リンパ節腫瘍へのアプローチ J hospitalist Network

http://hospi.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/generalist/img/medical/jhn-cq-iizuka_150313.pdf